包丁の研ぎ方

包丁の研ぎ方

包丁の切れ味を末長く保つため、また料理を大切に作るために料理職人は絶えず包丁を砥石で研いでいます。
当店のお客様には、いつまでも切れ味の良い状態で包丁をお使い頂きたいという想いから、料理職人が教える「本格的な包丁の研ぎ方」をご紹介いたします。

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砥石、研ぎ台の準備

砥石、研ぎ台の準備

砥石の準備

砥石は色によって細かさが違います。砥石の荒さは粒度という数字で表します。小さいほど荒く、大きいほど細かくなっています。

荒砥石 #80〜220程度 大きく欠けた刃先を修理するときに使います。
中砥石 #400〜1500程度 日々のメンテナンスに使います。
仕上砥石 #3000以上 中砥石で研いだ後にさらに切れ味を良くする時に使います。

(1)包丁を研ぐ前に砥石を水につけ、気泡が出なくなるまで、水を含ませておきます。目安として5〜10分くらいです。上図(1)は砥石を水の中に入れているところです。砥石の中に水が入り、泡が出ています。泡が出なくなるまで水に浸けておいてください。

※液体が緑なのは錆び止めの液を入れているので緑色をしています。
普通の水でも問題ありません。
※砥石によっては水に入れなくてもいい物もあります。砥石の説明書でご確認ください。

注意点

砥石は使い続けていると、表面の真ん中あたりがへこんできます。このような状態のときは、平らな表面にしてから使い始めてください。 (2)面直しなどですると簡単に表面を平らにすることが出来ます。面直しをした時は怪我しないように角を面取りしておきましょう。 (3)面直しが無い時はアスファルトでこすり合わせるだけで表面を平らにすることも可能です。水をしっかりと掛けてから円を描くように擦って下さい。

研ぎ台の準備

(4)砥石は動いたり、ガタガタしたり、滑ったりしないようにしっかりと固定してください。動くと大変危険なので、気をつけてください。
ガタガタ動く場合は、砥石の下に濡れタオルなどをひいて固定してください。
※専用の砥石台もございます。

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研ぎ方

包丁の持ち方

包丁の持ち方 包丁の持ち方

(1)図のように包丁の刃を下に向けて持って右側が「表」左側が「裏」と言います。

※左利きは反対です。左利きの場合は以降の説明がすべて反対になります。 順番が違うだけで内容は同じです。

(2)右手は柄を中指・薬指・小指の3本で軽く握り、
(3)親指は表面の刃元(アゴ)にのせ、
(4)人差し指を背(峰)にあてる。
親指、人差し指、手首の3点でしっかりと固定が出来ます。
左手は人差し指、中指、薬指の三本で研ぎたい部分をしっかりと押さえる。小指は下がってくると思いますが、怪我をする恐れがあるのでピンと張っておきます。

片刃包丁の研ぎ方

[1]包丁の先端(切っ先)を研ぐ

[1]包丁の先端(切っ先)を研ぐ

5)包丁の先端部分を最初に研ぎます。 この部分はしのぎのラインにあわせても刃が砥石に付かなくて普通に研いでいるだけでは研げません。(詳しくは左図を参照にしてください。)

その為、(6)少しだけ右手を上に上げます。手首を上げるのではなく、ひじからあげると簡単です。そうすることによって包丁に当たる角度が変わり、先端部分が簡単に刃にあたるようになります。力の入れ方は包丁の背(峰)に力を掛けて入れています。

[2]刃先を包丁の先端から刃元まで全体的に研ぐ

[2]刃先を包丁の先端から刃元まで全体的に研ぐ

ポイント!
包丁は左手の指を置いている所しか研げません。

(1)刃の角度は砥石に対して45度くらいにしてください。研ぎの角度は包丁を置いて、刃先を押さえて浮いたぐらいの角度で研ぎます。研ぎたい場所に左手を置き20回ほど前後させて かえり が出るまで研ぎます。この時、押す時に力を入れて、手前に引くときは力を抜いて下さい。刃先全体にこの作業を繰り返します。

※(2)かえり:刃先の裏面にバリ(鋼の出っ張り)が出来ます。 指で水平に動かすと引っ掛かりを感じると思います。

[3]小刃付(2段刃)

[3]小刃付(2段刃)

小刃付とは、簡単に言えば2段刃にすることです。「なぜわざわざそんなことするの?」、「そんなことしていいのか?」と思われるかもしれませんが、小刃付けをしないと切れ味が落ちるのが早くなります。2段刃にすることによって、刃先が強くなるので切れ味が持続します。一日に大量の魚をさばかれる方はこの小刃付けは必ず行ってください。砥石は必ず仕上げ砥石にしてから行ってください。

(3)2段刃にするので、包丁はかなりたてて研ぎます。この時、力はほとんど必要ありません。力を抜いて、撫でるぐらいで大丈夫です。刃先から刃元まで順番に当ててください。1箇所は10回前後でかえりがでるまでして下さい。

[4]かえりを取る

[4]かえりを取る

包丁の裏面にできるかえりを取らないと包丁は切れる状態になりません。かえりを取るためには砥石の表面が平らでないとできません。もし凸凹している場合は面直しをしてから研いでください。(4)かえりを取るには包丁の裏面を研ぐので、包丁の裏面を砥石に当てます。力を入れすぎると欠ける原因にもなるので、あまり力を入れすぎずに研いでください。手を置いた部分、各2〜3回で大丈夫です。(5)刃元は刃を横向きにすると当てやすくなります。包丁の裏面と砥石にピッタリと当てて研いでください。

※ここでは角度をつけて研いではいけません。

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